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ファッション界でのSDGsとは  

SDGs~持続可能な開発目標~

Sustainable Development Goals

2015年9月の国連サミットにおいて、全会一致で採択された国際的な目標であるSDGs。全世界が一丸となって、より良い世界を目指すための活動です。

様々な角度から、より良い世界を作るために、社会人、学生、更には国境の垣根を超えて、持続可能な未来に向かって、それぞれがテーマを決めて取り組んでいます。

その中で、ファッション業界に携わる企業の出来ることとは何か、また取り組みの実際について考察してみたいと思います。

ハイブランドの目指す未来

まずは、ヨーロッパのハイブランドの動向をみてみましょう。

まずグッチ。こちらはコレクションとして打ち出しています。“グッチ サステナブル コレクション”は再生素材、オーガニック素材、バイオベース素材使用した製品を展開しています。また、2013年に立ち上げた「CHIME FOR CHANGE」では、“ジェンダーの平等”について声を揚げてきました。製造面だけでなく、精神的な分野でのSDGsに力を入れている企業と言えます。

また香水からアパレルまで、ラグジュアリーなブランドとして名高い“シャネル”は、コスメ製品のパッケージ内セロファンを廃止。店頭でのリーフレットをQRコードの読み取りによるデータ展開へ切り替え。容器への配慮も打ち出し、環境保護への姿勢を明確に示しています。

さらにルイ・ヴィトンは気候変動への取り組みを強化。

2025年までに製造および物流における再生可能エネルギー使用率を100%に、店舗でのLED照明使用率を100%にすることを打ち出し、前者を揚げて取り組んでいるとのこと。

いずれのブランドも、持続可能かつ明確な目標を打ち出し、より良い未来に向け、正面から取り組んでいることがわかります。

ファッション業界として、世界を守るためにできること、を明確に示す企業の姿は様々です。けれど、その理念は、必ずブランドを愛する人に届いて、SDGsの広がりに貢献することでしょう。

ファストファッションにみる企業努力

次に、GUやユニクロを展開するファーストリテイリングを取り上げてみましょう。

企業として提唱しているSDGsについての考えはこちら。

「無駄なモノを作らない」「売らない」「シンプルで質が良く、長持ちするものづくり」をコンセプトに打ち出しています。

顧客の動向を見極め、人々が、必要であり、且つ欲しいと思うアイテムを、企画し、消費者が買える分だけを計画的に作ること

つまり無駄を出さず、未来へ繋げる姿勢を打ち出しているのです。

原材料である綿花、羊毛、そして製造工場を動かすための水や電気。

その全てが無駄にならないようにという取り組みです。

他にもペットボトルを素材にした洋服作りや、回収したダウン製品を再利用するリサイクルダウン。ジーンズの製造では、それまで必要とされてきた水量を9割減することに成功しています。

そして製造に関わる「人」への向き合い方。勤務時間、職場環境をファーストリティリング本部に直接、相談できる仕組みを作って、改善を図っています。

各店舗では、顧客が使用しなくなった洋服を回収し、難民など、必要とする人たちへの支援に活用。世界の難民を支援する国連機関、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や各地のNGOと協力することで、“不用品”ではなく“衣類”としての循環を行うこと。またそのことを、世界へ発信することで、社会が同じように物事に取り組むことを願っているのだといえます。

温故知新~知る、そして考察する

大切なのは、まず知ること。どのような活動があり、未来へどう繋がっていくのかをしっかりみつめましょう。

これからの時代、ファッションは製造物ではないのかも知れません。

「資源」として「服」を捉えるべき時代といえます。

かつて、日本人は、和服(着物)を何世代にも渡り、愛用してきました。着る人が変わる度、縫い目をほどき、洗い張りをし、それを仕立て直して受け継いできたのです。

洋装になってもその流れは受け継がれます。毛糸で編まれた衣類は、役目を終えると毛糸を解き、それを再び編み直して、親から子へ、世代を超えて受け継がれてきたはずです。

近年、日本の家庭で見られなくなった、そういう光景こそ、SDGsの根本と言えるのかも知れません。

SDGsとは、決して目新しい発見ではなく、これまで培われてきた先人の知恵を思い返した上で、自然環境に配慮し、奢ることなく、丁寧に暮らすこと。誰もが幸福を感じる未来へ繋げていく営みなのでしょう。

参考

外務省

集英社

グッチ

SDGs Magazine