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ファッションを”色”で考える流行色の決め方

未来を創る

「今年はグレーで決まり」
「やっぱり○○が来たね!」

巷でそんな声が聞こえてくる頃、世界は2年先に向けて舵を切っています。
ファッション雑誌や情報番組、インターネットで発信されるのは「今年の色」。
時代を拓こうとするパワーはその先を見つめているのです。

流行色は 勝手に浮かび上がってくるものではありません。
さまざまな人の手を介して“創り出されている”ことをご存知でしょうか。

目新しさだけを注視していては振り回されてしまいます。
旬の“カラー”を上手に取り入れて、もっと自由にファッションを楽しみましょう。

流行色が決まるまで

フランスのパリにインターカラーという団体があります。
加盟国の非営利団体で構成され、年に2回会議が行われています。

そこで取り上げられているのは“色”。

ファッションだけでなく、コスメや様々な製品に渡り2年先を見越して“色”を選定しています。
6月に春夏カラー、12月には秋冬カラーが決定します。


1色だけが選ばれるわけではありません。
各国が持ち寄った500近い色から20〜30の色が選ばれることになります。

特にファッション業界では“色”を踏まえて、素材やデザインを選定。
1年後には各メーカーがショーを開いてバイヤーに先の商品を提示するのです。

ユーザーの手に届くのは更にその1年後。
世界が“先端”を手にするころには、さらに2年先の“色”が選ばれているというわけです。

ちなみに2021年のトレンドカラーはZero White:始まりと希望の白です。

“流行色”は周到に準備され、未来に組み込まれていることをお分かりいただけたでしょうか。

と言っても決して未来を狭めるものではありません。
選定することで、より可能性を広げているのです。

個人にとっての“色”

流行色は全てを形作るわけではないことは周知の事実です。
世界にはあらゆる色があふれています。

例えば同じ形、素材のTシャツがあるとしましょう。
デザインが全く同じなら何が決め手になるでしょうか?

それは“色”Color。

好きな色、似合う色、そして流行りの色。
何を基準に選ぶのかが重要です。

いつも同じ色を着る人もいます。

Appleの創業者、故スティーブ・ジョブズもその一人。
彼が三宅一生がデザインした“黒のタートルネック”をユニフォームにしていたのは有名なお話です。

FacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグも同じく、ブルネロ・クチネリによるグレーのTシャツを愛用しています。

彼らは自分たちが選択し続けるものから“ファッション”に割く時間を取り除くことに成功したのです。
世界の大富豪がミニマリストになる理由は“Simple” になるため。
そうすることで、自らの持つそれぞれの優位性をさらなる高みに押し上げているのです。

もちろん、それも1つのファッションのあり方でしょう。
誰しも自分にとって居心地の良い服を選ぶことが重要です。

貴方にとって人生における究極の目標は何でしょうか?

「ファッションに人生は関係ない」なんて思っていませんか?
それは少々短絡的というもの。

“服”を選ぶことは“人生”を選択することに他なりません。
“色”を選ぶことも、また同じ。

ファッションはあなた自身を形作るものです。

誰もに共通する“モデル”は存在しません。
答えは人によって違うのです。

いずれにしても貴方が選んだものこそが最良のアイテム。

大切なのは何を基準に選ぶのか、ということ。
本当に選ぶべき“色”はきっと貴方の中に眠っているはずです。

参考
International Commission for Color;インターカラー。
国際流行色委員会は1963年、フランス、スイス、日本が主導となってパリで発足した民間の団体。
http://www.intercolor.nu/

Japan Fashion Color Association;通称JAFCA
1953年に設立され、インターカラーを踏まえて日本でのトレンドカラー:JAFCAカラーを発信しています。
https://www.jafca.org/